なんだかんだ言って、今年はいい年だったと思える。昨日、松岡直也とウィシングのコンサートに行き、至福の時間を過ごしたからだ。ウィシング32年ぶりの復活。あの門とルージャズフェスティバルでの演奏がほぼそのまま再現されるのだからたまらない。夕方、仕事場を出て京橋駅にあるいているときには、まるで初めてのデートをしたときのようにワクワクしてたもんな。
それもこれも我が音友のおかげである。チケットを買う段階で「あと5枚」と言われ、滑り込みセーフ。席は最後列の端っこだが、1000人程度のキャパなのでさほどのの問題はなし。事前に、今年のライブのDVDを貸してもらっていたので、曲の構成も予習済み。さて始まるのを待つばかりだが、友人と話していると隣席の男性が話しかけてきた。福島の相馬から駆けつけてきたと言い、どうも復興事業に携わっているらしい。今年の野馬追いには10万くらいの人手があったそうだ。この人も当然ウィシングの大ファンで、30年前にも何カ所かでのライブに行っているらしい。
で、世の中にはこんな人もいるのかと感心したことには、ウィシング以外はクラシックしか聴かないそうだ。逆に言うと、クラシック以外ではウィシングしか聴かない。自分でもトランペットを吹き、以前はオーケストラもやっていたと。クラシックと言っても、モーツアルトやバッハとかには関心なく、ストラビンスキーとか派手なものじゃないとダメとも。ふーむ、こんな人もいるのか。
そもそも場内は中年というよりはそれよりもちょっと上の年代。もはやおじさんとかおばさんとか呼ぶにはふさわしくない年齢層もたくさんいる。これがまた、よくウィシングのことを知っていて、ラテンの手拍子も自然にわき起こるし、演奏への拍手の入れどころも完璧。ただの音楽ファンとは違う。ただのコンサートと違う。
さてウィシング。御年75歳の松岡直也、今年はデビュー60周年、MCのごとに「おめでとうございます」で、そのたびに会場から拍手。ドラムの村上秀一が自分は40周年、まだまだですと言い、ギターの和田アキラ(すっかり変貌、ズラ疑惑あり)は、僕が24歳のときに初めて会って、そこから32年ですと言う。楽しい。当時のメンバーは3人くらい残っているが、あの頃よりも演奏は上手い。あの頃はやや危なっかしいところがあったが、今は松岡直也のほうがさすがリズムに追いついていけないところが少しある。75歳だもの、それはしかたない。
アンコールは1曲だけで、たぶんMCが多すぎて時間が足りなくなったのではないかと。ああ、もう1曲の方を聴きたかったのになあと、そこだけはとても口惜しい。ま、またDVDで観ようか。
今年、2012年は、松岡直也とウィシングをやっと観ることができた年として僕の生育史に燦然と記録されるだろう。あのライブアルバムに脳みその芯からぶっとばされて、しかし、ウィシングのライブを観ることはかなわなかった。その後、ライブハウスなどに松岡直也を観にはいくが、ウィシングじゃないとつまらない。数年前に出たライブDVDがまたつまらなかったし。まさかいま頃になって夢が叶うとはね。これで人生の心残りがひとつ減ったな。
という感じで競馬も当たらないものか。当たらなくはないのだが、ウィシングの演奏のようにここはこうして欲しいというのが全部来ちゃう、そんな当たり方が望まれる。
明日はジャパンカップダート。おお、そういえば久しぶりの日曜だ。1番人気ローマンエンパイアは、今度ばかりは相手が強いのではないかと思う。本命は⑫ワーダーアキュートだ。まずはこれと④エスポワールシティとの3連単マルチ。相手は⑤トゥザグローリー、⑦トランセンド⑧イジゲン⑩ローマンエンパイア⑭ニホンピロアワーズ⑮ソリタリーキング、うーむ、それにしてもすごいメンバーが揃った。まるでウィシングのようだな。