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菅野所長のエッセイ:脇役に注目

 何だか冴えない日々だなあ。腰の具合がよくなったのはいいが、どうにも意欲が出てこない。2ヶ月くらいほとんど書くことをしていなかったせいなんだろう、いざやろうと思うとパタッと止まる。そういう状況なので、いろいろと不安になり、なかなか寝つけないことになる。昨日なんかは2時間くらいしか寝られなかった。

 どうにも気持ちが落ち着かないので、寝るのをあきらめ、ケーブルTVで「夏目友人帳」のアニメを観る。すると何だか気持ちが落ち着いてくるのだから、やはりこのマンガはすごいものだ。どの回であっても、観るたびに何かほっこりとしたものを感じ、さっきまでのざわつきが鎮まる。
 この1週間はずっとそんな感じだったな。来週には何とかなっていくといいのだが。

 「ジロ・デ・イタリア」はステージの3分の一が終わり、これからが山岳コースになっていくらしい。しかし、「平坦」といってもあまりそうでもないところもあり、なかなか厄介なコースのようだ。各チームも、ティンコフ・サクソのエースであるコンタドール以外、第1級のエースはフランスまで温存しているようだ。レースはつねに総合優勝狙いのビッグチーム、アスタナ、サクソ、スカイが終盤まで6人から8人を残してトレインを組むが、案外そこからは優勝者が出てこない。アスタナにはニーバリがいないし、スカイにはフルールがいないしで、総合ではなく各ステージ狙いのチームから勝利者が出やすいようだ。他のグランツールよりも、誰が勝つのか最後の最後までわからない感じがジロの面白さなのかも。

 こうやってほぼ一年ロードレースを観てきて思ったのは、イベントとしては、21日間もあるし、3大グランツールが上だが、レースの面白さは、クラシックのワンデーレースのほうが上だな。タイム差など関係なく、ひたすら今日の勝ちを目指す真剣勝負だからね。もっとワンデーの知識を仕入れればより楽しめるに違いない。一方、グランツールのほうは途中からは駆け引きが目立つが、そこが面白いという人もいるのだろう。それから、3週間もやる超人的な体力にも敬意を表する。

 それとは別に強く思うのは、よく欧米は個人主義とかいわれるわけだが、自転車レースを観ているとそんなことは妄言のように思えてくることだ。
 ロードレースの仕組みは、各チームが8人で編成されるわけだが、この中に一人「エース」と位置づけられる人がいて、他の7人はこのエースを勝たせるために存在する。エースが体力を温存し、よいコンディションで最後の勝負に行けるように、前を引いて防風し、他者との接触事故から守り、ときには給水を代わりにする。給水といえば、混戦のときには、他の7人のペットボトルを受け取って、また集団に追いついて走りながら配給する役割を担う者もいる。これは見るからに大変な仕事であるが、ロードではそのように自分の役割がしっかりと決まっているのだ。すべてはチームの勝利のために。

 たぶん僕がロードレースでいちばん惹かれるところはそういうところだ。「弱虫ペダル」の登場人物でも、「登り一筋」の巻島クン以外では、箱根学園のエースアシスト荒北が何と言っても好きだ。自分がどんな選手になりたいということなら「荒北みたいになりたい」と断言できる。「黒子のバスケでも、やはり主人公の黒子哲也がいいしね。華々しいエースたちには、好意は持つものの、自分がああいうふうになりたいとはまったく思わない。何だか、われながら、目立ちたがりのはずなのに不思議である。18年前、ほんとに所長になんかなりたくなかったし。

 実は競馬でもいわゆる脇役的な馬が好きなのだが、それでは馬券が取れない。そこは好き嫌いを少し離れないといけないところだ。
 日曜はヴィクトリアマイル。絶対的な中心は⑮ヌーヴォレコルト。問題はこれを1着固定にするかどうかだけの話だが、相手は⑥ディラディアマドラ、次に②カフェブリリアント。絞りに絞ればこれだけでいいのかも。いちおう、次なる候補として④レッドリヴェール⑪スマートレイアーとか何頭かいるんだけどね。スローペースで逃げた場合の⑦ケイアイエレガントのほうが面白そうだ。つまり、好きなのはこっちなのである。

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