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菅野所長のエッセイ:自分の世界を広くすること

今週は木、金と名古屋へ出張。アジア予選はホテルの部屋で観たのだが、その前に懇親会があって酒を飲み、疲れもあってか、不覚にも前半の20分くらいで寝落ちしてしまった。でもおかげで不愉快な思いをしなくて済んだらしい。

UAEは日本戦の前にヨーロッパで2ヶ月の合宿を張り、W杯に出られたら褒賞として約50億円がチーム全体に渡される。勝つためなら何でもやれる国である。審判を懐柔するくらいはわけない。ま、しかし、これも世界のサッカーだ。とにかく戦前の予想通り、この4年でDF陣にテコ入れできなかった今回は厳しい。

9月はいろいろと出かけることが多いな。来週は学会、中旬にも学会があって休む日が多い。そうなると面接にしわ寄せが来るので、それはそれで大変なのだが。少しでも涼しくなってくれれば、出かけるのももっと楽なのだがね。

ちょっと前の話だが、TVで観たハナレグミというバンドの「深呼吸」という曲が少し気になってCDを2枚買ったところ、TVで聴いた曲以外はまったく面白くなかったことに愕然とした。後から知ったが、その曲は最近封切りされた映画に流れる曲で、監督自らのオファーによるものだったらしい。それで何となく考察した。

たぶんそれまではスタジオやライブの箱くらいが彼らの音楽の広がりを示すものだった。つまりひじょうに狭いところにいた。だから、以前のCDは、マイナーなバンドにはよくあるナルシスティックな作品ばかりで聴けたものじゃないと僕は感じたのだった。

しかし、映画となると、不特定多数の人が聴くことになる。自分たちのことをよく知る少数のフアンが対象ではなくなる。それを思ったときに、これまでのようなものではなく、もっと広がりのある音楽を創ることができたのではないかと思うのである。

より広い世界に自分を置くこと、それはたぶん大事なことだ。半径5メートルくらいの世界に生きる人は、ほんの小さなことにも神経を尖らせ、不満を持ったり怒ったりしているが、それはひとえに生きている世界が狭いことによる場合も多々あろう。ネットの世界は、それこそ世界につながっているというが、多くの人は身近で同質な人間間のFBやらツィッターやら、実はものすごく狭い世界に身を置いているのである。「ネットの住人」とはまさにそのことだ。いろんなことを見たり、経験したり、ネット社会、ゲーム社会ではそういう経験が乏しくなるので総じて自分の世界が狭くなる。

スマホを断つための子どもの合宿というのがあって、たまたまTVでその様子を見たのだが、ほとんどの子どもはスマホに触れなくなり、皆で遊ぶことを楽しんでいた。そういう機会が減ってるんだろうな。世の中にはゲームなんかよりも面白いものはたくさんあるのだが、それを提供できないことにも問題ありか。ちなみにポケモンGOは、アメリカでは1週間でピークが過ぎた。日本ではどうなんだ? 9月になってもやってる奴なんかいるのか?

ところで、今のところ新都知事は予想以上によくやっている。ぼくはかなり見直しているのだが、たぶん反小池だった人もたいぶそう思っているのではないか。
何というか、格負けしないというかね、組織委員会の森とかにはぴしゃりとやって欲しいね。何ならクビにするとか。何でも五輪組織委員会の予算のほぼ100%を都が出しているというのだから、それくらいのことをやってもいいわけで、森がヘイコラするのが本筋だろうに。築地の移転問題を保留にしたのも筋が通ってるしね。
とにかく、いまのところだが、都民の選択はとても正しかったわけだ。

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