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菅野所長のエッセイ:走れ、キョウヘイ

あけましておめでとうございます。
年末年始は思い切りだらけて過ごし、おかげさまで体調は崩しませんでした。

今年は去年よりマシな一年にしたいとは思っているが、始まってみないとわからないなあ。この冬は、家にいるとあったかいが、外に出るとひじょうに寒いし。
マシな一年にするための条件のひとつは、ちょっと競馬を何とかしないといけないのだが、あまり自信ないしねえ。つまり、とくに良い材料というものがないのだな。年をとると当然こういうものか。
それにしても、年末年始はだらけすぎたのではないかと思わなくもない。何をしているのかというと、だいたいケーブルでオンデマンドの番組を観ている。

たまに地上波で観た中で出色だったのはNHKの競馬の特集だった。去年のダービーにでた3頭にまつわる話。その中で初めて知ったので驚いたのは、キョウヘイという馬についてである。
話はさかのぼる。2005年、横山恭平君という競馬好きな若者がガンで亡くなった。享年21歳。母親の横山真弓さんはブログを始め、その中で競馬が好きだった亡き恭平君を偲んだ。競馬のことがよく書かれるブログを読んだ中に瀬谷隆雄という関西の馬主がいた。彼は母親にメールを送り、デビューさせる馬に「キョウヘイ」と名づけてもいいですかと聞いてきた。真弓さんは驚き、そして喜んでこれを受け入れ、2016年中央競馬にキョウヘイという馬がデビューしたのである。
血統こそ大したことはないが、キョウヘイはなかなか強い馬である。新馬戦4着で、2戦目の未勝利を勝ち上がり、その後足踏みがあったが、雨で馬場が渋った正月のGⅢシンザン記念で見事に最高峰からの追い込みを決めた。これで賞金を上積みしたキョウヘイは、ダービーに出走することになったのである。結果は12着。そもそも距離に無理があったのだが、無理でも何でも最高の舞台に出走させたかったのだろう。
このエピソードを知った競馬ファンたちとともに、キョウヘイが出走するレースには必ず恭平君の家族が声を枯らして応援しているという。その後のキョウヘイはオープン特別で何とか入着を果たしているが、重賞の勝ちはない。それが何と、一年前と同じ舞台、京都競馬場、1600mの京都金杯に出走してくるのである。
こういう話を聞いてしまうとキョウヘイを買わないわけにはいかない。これはもう懐かしや、故寺山修司の競馬ワールド。いやそれ以上か。競馬歴50年の僕が知る中でも一番インパクトがあったな、この話は。

ギャンブル、勝ち負けを越えたところにも競馬があることをもう一度証明して欲しいものだ。土曜日の京都の天気はいかに。

走れ、キョウヘイ!

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