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菅野所長のエッセイ:戦う姿勢

先日TVで、若いときに交通事故で右腕を失った人が、苦労の末バイオリンを演奏できるようになったというのを観た。どこかで観たことがある人だと思ったが、以前はパラリンピック水泳の日本代表でもあったので、記憶の端にあったのだろう。しかし、普通の運動ならできるかもしれないが、バイオリンとなると別物だろう。左指がバネ指となった僕などは、その不自由さですぐに楽器をあきらめたものだった。
まあしかし、その物語には感動である。そこに自分の逆境やハンディと戦う姿を見た。その戦いはわれわれの想像も及ばぬほど凄絶だったのではないだろうか。ご本人は、そういったものを出さないけど。ああいう姿勢を観ながら、最近の自分は戦っていないなと思ったのだった。
アジアカップの決勝でもそれを感じた。準決勝のイラン戦では、最初から殴り合いを覚悟でガツンと向かっていったチームだったが、カタール戦ではそれがなかった。何なんだろう。サウジ、イランを撃破しての慢心なのだろうか。一方カタールは、自国の歴史を替えるべく、必勝の姿勢があった。日本は、いつものことだが、相手が格下だと思うと受け身に回ってしまう。まずは相手の出方を観ながら、じっくりと攻めようとする。しかし、ランクは90台でも、カタールは決して格下とは言えなかった。予選を通じて、無失点。あの韓国にも勝っている。実際、デフェンスは素晴らしいし、カウンターもうまい。しかし、負ける相手でもない。負けるべくして負けたのだが。
後半ようやく攻め立てた日本だったが、ときすでに遅し。とくに武藤は気迫あふれていたな。結果は1-3。僕の心配通り、3失点にはすべて吉田がマッチアップしたものだった。はやく控えに回ってくれ。
気迫が足りなかったんだよね。欧州のチームは、相手が格下だろうが、最初から全力を出すもんだよ。昔、ベッカムがいる時代のイングランド戦ではびっくりしたもの。日本なんか相手に何でこんなに本気なんだと。先日、リーガ・エスパニョーラのベティスの特集(BS)で、試合前の主将の檄は怖いほどだった。「いいか、最初の10分だぞ!」。せっかく移籍したのに乾が使われなかったのもよくわかる。
W杯のデジャブだな。あのとき自分たちは最弱に近いと自覚したところから、日本の覚醒が始まったと思うが、そこにはすごい危機感があったことだろう。今回、サウジ戦とイラン戦にはそれが感じられたがね。予選とベトナム戦、カタール戦(のとくに前半)はダメだったな。ちなみに代表戦は最初の10分を見ればだいたいわかる。

まあ、今回は、富安という大収穫があったからよかったのだがね。しかし、堂安のポジションはあれでいいのか? 堂安がドリブルを仕掛けて抜いた場面はひとつもなかったぞ。あれは使われる選手だから、もっと中よりでプレーさせないと意味がない。南野は良かった。柴崎もどんどん調子を上げていった。いいところもたくさん見受けられたんだけどね。大迫依存はやはり心配。今なら、川崎の小林を代表に招集したらいいんじゃないかと思うが。
「新アメリカンアイドル」は、油断してネットのネタバレを観てしまった。本国ではこの戦いは去年に終わっているからね。気をつけてはいたのだが。まあ、これは結果はどうでもいいし、決勝のパフォーマンスもやはりイマイチだった。ただ、ギャビー・バレットが「ドン・ストップ・ビリービング」を歌っているときに、客席に紛れ込んでいたのが何とスティーブ・ペリー。このサプライズは盛り上がった。
が、優勝したのははマディ・ポピーらしく、それには異論はないのだが、キャロル・キングやアデルのような曲つくりの才能があるのかどうか。スターが出てこない「アメアイ」、彼女の戦いはこれからだ。

で、何よりも自分のことだ。昔はひたすら戦っていたものだが、このところはダメダメだ。何とかしないと。年齢は言い訳にならないよな。

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