先週はゴルフに行ってきて、久々に少し晴れやかな気持ちになった。ゴルフ場は安全だな。危ないのはホテルの朝食だったが、食べないつもりで一応見に行くと、皿料理にはみなラップがかぶせてあり、パンもひとつずつラップされていた。さすがにホテル側も気をつかっているのだと思ったが、より安全にと、小さなカップ入りの納豆と袋入りの海苔だけでご飯を食べた。
コロナで最も危険なのはとにかく飲み食いだと思っているので、これには最大限の注意をしなければならない。東京の病院でクラスターが発生したのも、感染源の人が調理担当だということだし、阪神の選手たちが何人も感染したのも大きな規模の合コンだったようだ。
昔、アフリカに行ったときに、とにかく現地の水を飲んではならないと、皆がミネラルウオーターを買い常備していた、しかし、数日後、ツアーの中の3,4人が厳しい下痢に見舞われ、ホテルで寝るだけとなった。その連中に聞いてみると、水道の水は飲んでいないが、歯磨きのときには使っていたという。僕の場合は、そういうときもすべてミネラルだし、シャワーを浴びるときも絶対に口に水が入らないようにしていた。たぶんあのときの若い衆も今回は細心の注意を払っていることだろう。
検査体制がまちまちなので、感染状況の分析や予測をするのは難しいのだが、この時期になるとさすがに多少はわかってくるな。先週言ったように、個人主義的な文化圏にあって感染がより拡大するという読みは当たっているのではないか。
その逆証として、日本だけでなく、ドイツの状況が挙げられよう。イタリア、スペイン、フランス、そしてアメリカに比べて、ドイツは死者数も死亡率もはっきりと低い。しかし、日本と違って検査体制はしっかりしているようで、感染者数は少なくない。
この理由としては専門家はすぐにドイツの「ホームドクター」制度を紹介するのだが、そもそもこのような医療体制を築けるということ自体が奇跡的ですごいことだ。
なぜなら、このような無料の公的医療制度を築くために、ドイツ国民は所得の40%を税金として収め、さらに消費税率は20%という暮らしの中にいる。こうなると資本主義国家というよりも北欧のような福祉国家とも言え、アメリカ人なら「共産主義」と揶揄する、「共同態」であることを意識しながらの国づくりを歩んできたことがわかる。そこにはまともな政治があり、まともな政治家がいたということだろう。
各世帯にマスク2枚という珍提案を自信満々で発表し、日本はおろか世界中で笑いものになっている首相のいる国とは雲泥の差だ。恥ずかしい。暗愚とはこういうことを言うのだな。
ちなみにドイツの諺には「ともに喜ぶのは二倍の喜び、ともに苦しむのは半分の苦しみ」
というのがある。アメリカ人にわかるかなあ。
アメリカ人の考えでは、自分の払っている保険料が他の人の医療費に充てられることに到底我慢ならず、それは「共産主義」であるというものだが、ことコロナ禍を通しては、こういう考え方や文化こそが弱国の要件になってしまう。
日本人もドイツ人も、自分たちの国が「共産主義」であるとは塵とも感じていないだろう。それどころか、かなりの自由を感じ、それを謳歌して暮らしている。中国やロシアとは明確に違う。
昔から、精神医学や心理学のテキストでも言われてきたことだが、日本の国民性、メンタリティは、世界ではドイツのそれと最も近しい。日本にうつ病が多いように、ドイツでもメランコリー気質が多いと言われる。どちらも精密機械が発展しているように、正確さや緻密さに優れ、秩序を重んじる傾向が強い。だから、政府が何を言わなくても、どうすればいいのか、こういうときには我慢と忍耐が必要であるということを理解している。若者はともかくね。
ただし、一方で、こうした傾向は全体主義に向かう素地でもあることを忘れてはならない。かつての日本軍国主義、ヒトラーによる独裁政権をみればわかる。この75年の年月をかけて、その苦い経験をどのように整理し、消化してきたのか、両国に違いがあるとすれば、その思索のクオリティなのかもしれない。
日本が資本主義国家であることは明白であるのだが、その自由さを享受しつつ、日本人は公と私のバランスをほどよく取ることはできる。そうやってその都度、軟体動物のように、亀の歩みのように、あの頃とは違う社会のあり方を無自覚に願い、戦後を歩んできたということになるだろう。その歩みを止めているのが、強い国家すなわち軍事と経済優先を是とする現政権ということになる。
ということで、検査体制の整っていない日本では、今後感染者数は増え続けるだろうが、感染率や死亡率についてはドイツに近いものになっていくのではないか、それが僕の予測である。そうならば、この国もまだまだ捨てたものじゃないと思うのだが。とにかく、この点が興味津々なのだ。
さて、先週は春のGⅠ高松宮記念があった。ウィルス騒ぎで忘れていたが、馬券も取れなかった。今週は、コロナと違って予想しやすそうな4年目のGⅠ大阪杯。このメンバーなら③ブラストワンピースが強いとは思うが、⑧ダノンキングリーも強そう。それと⑤ラッキーライラック。勝つのはこの3頭からで、着候補に④ワグネリアン⑫クロノジェネシス。固そう。