今年の夏は涼しいので過ごしやすい。とは言っても、暑くないと困ることもたくさんあるだろうから、それではいかんのだが。
日本では、内閣改造をしてほんの少し支持率が戻った感じだが、アメリカは落ち込む一方だ。KKKのシンパであることもまたまたダウンの要素となった。まあ、日米似てること。トランプ、安倍、金正恩、習近平とか、程度の差こそあれ、同じ人種という感じだな。
しかし、グアムを巻き込んで、にわかに緊張が高まった北朝鮮とアメリカではあったな。ポーカーに例えるなら、どちらも降りられなくなってブラフの掛け合い。
しかし、驚いたことには、ビビって先に降りたのは北朝鮮。こんな北朝鮮は初めて見たね。結果的に、大統領がトランプでなかったらこういう結末にはならなかった。別にトランプの駆け引きがうまいわけじゃなくて、北朝鮮の手が実はブタだったのがばれたということかな。これみよがしにグアムの米軍基地の写真を架けた部屋で会議をしている姿などをニュースで流していたけどね。
それをブラフを見抜けず、あの国ならやるだろうというわれわれの思いこみがあったわけだが、ほんとはそんなにやる気がなくて、逆に、北朝鮮側がトランプならやるかもと思ってしまったから弱気になったと。こうなるとポーカーには勝てない。
ま、そもそもトランプのほうが手(軍事力)がいいし、実は、いかれ具合も、金正恩よりもトランプのほうが上だったのかもしれない。加えて、「正義の」戦争は支持率アップに絶好だし。
来週には米韓合同軍事演習があるけど、北は手をこまねいて静観するだけなのか? ま、例によって勇ましいニュースは流すだろうが、一度ビビってしまうと効果は極薄になる。以前暴挙にでる可能性はゼロではないが、現時点で、この勝負はトランプの勝ちだな。まったく何が幸いするかわからないものだ。毒をもって毒を制するとはこういうことか。
勝負に負けたのは、全米プロゴルフの松山。途中では単独トップに立ったが、一緒に回ったのが天敵ジャスティン・トーマスだったのがよくなかったのか? 負けて涙を流している松山というのは意外も意外。ついでに7月に結婚してたというのももっと意外。
しかし、話題にもなったようだが、負けた後でのフジTVのインタビューはひどいものだった。僕はたまたま観てしまったのだが、観たくなかったね。「残念としか言いようがないんですけど」とか「何か足りなかったから負けたと思うんですけど、それは何ですか」とか、やっとのことで涙を堰き止めた松山としてはもう答えようがない感じで、敗者に鞭打つとはまさにこれ。3日目には、いいところで中継をやめるなどあったらしいし、フジはもうゴルフ中継やめなさい。
と、人の心が分からないインタビュアーがいるように、対人関係の研修後に自殺した新入社員の話も気の毒なことだ。すでに労災は決定、次に会社と研修会社、講師が訴えられたが、あいもかわらず世の中ではパワハラが減らない。ああいう研修会社というのも、僕らの目から見れば素人もいいところだからなあ。その会社のHP見たら、「講師募集」とかしてんのね。怖い怖い。
政府も「人づくり」なんてお題目を掲げてはいるが、首相を始めその本質などまるでわからない連中が考えているから、そこに利権を求める連中が群がって的はずれなことをやっていくんだろう。とくに竹中関連の会社とかね。
そうした世事をよそにして、月曜に「ボストン美術館の至宝」展に行った。ボストンは世界的な佳作の宝庫という印象を前から持っていたが、行って後もその印象は変わらない。アメリカでは屈指だろうが、何しろ歴史のない国だから、自国の「至宝」はないしね。若沖展と違って空いてたなあ。
僕の今回の主たる目的はサージェント。ほんとは「ボイト家の娘たち」を観たかったが、残念ながらそれは来ず、サージェントは2点。それでも、やはりヴェラスケスの影響は大だなと思う。2点とも「油彩」となっていたが、どう見てもアクリルが入っていると思わせる色遣いと照り加減である。たぶん純白な白を出したいからじゃないかと思うのだが、詳しい人に聞かないとほんとのところはわからない。しかし、この人は、油彩だけだとすれば、ほぼ「人真似」で終わってしまうな。アクリルを使うからこそサージェントだなあということでいいんじゃないか。
後は、酒井泡一と喜多川歌麿が並んでるのが興味深かったね。同じ花魁、美人画でも、泡一は、何て言うか、うまいけどリアルではないというか。歌麿はカリカチュアライズされているようでいてむしろリアルな感じがするのが面白い。あと、案外至近距離で絵が観られるのがいいところか。質的には箱根のポーラ美術館くらいだと思うのだが、戦後向こうに行っちゃった日本の絵がいくつか観られるのは、日本画ファンにはいいのではないか。でも英一蝶好きなんているのか?
ところで、シスレーやコローといった前印象派が並ぶ中、ブータンのベニスを描いたものがあった。実は僕の父親がなぜかブータンが好きで、欲しいというので、生前にこれを買ってあげたのだった(もちろん複製)。僕は別に好きじゃないのだが、親父は喜んでいた。しかし、当たり前だが、本物のほうがずっと風格があったね。ま、19世紀のフランス絵画は間違いないのだが。