日本代表の監督が森保になると聞いてちょっとがっかり。別に悪いやつではないが、何せ世界のトップレベルを知らない。だから戦術が立てられない。西野が無策だった理由の一つでもある。
監督人事は「関塚に一任する」と言って、協会の理事長側は責任を押しつけたわけだが、お人好しの関塚はそう言われて舞い上がったのか、「5,6人は候補がいます」などと報道陣の前で言ってしまった。それですぐに森保になったんじゃ「5,6人」の意味がないだろ? しかも結果が悪ければ「あれは関塚が決めたことだ」となる。
要するに、今回の人事は、協会に世界とのルートを持っている人間がいないことを露呈したわけだが、チームの融和を図るという意味だけなら日本人監督はいい。ハリルと西野の違いはそこだけだったのだが、それはそれで意味はある。チームが仲良しというのは、そうじゃない場合と比べてかなり強いのである。
昔、アメリカの海軍だったかでこんな実験があった。チームを編成する際に、各分野(狙撃、爆弾とか)に秀でた者を組み合わせた場合と、そういうことは関係なく、ただ日頃仲がよいチームとを比べる。すると、パフォーマンスに優れていたのは仲良しチームだったという結果だ。つまり、優秀な人間だけを集めれば生産性が上がるということは起こらないのである。チームワーク、良好な人間関係が必須条件となるのだ。
だから日本人監督が悪いというものではない。しかし、その前のチーム作りでは世界を知る指導者の存在が必要だ。ある程度それをやってから日本人にするのはいいと思うがね。
たぶんロシアで日本のサッカーは進歩した、もう外国人は要らないと勘違いしてるんじゃないか? 今回はたまたま、パラグアイ戦でメンバーが入れ替わったからああなっただけでね、確信をもって、ああいうサッカーができたわけではない。森保に一からチームを作れるのか? その手腕はあまりに未知数だ。アンダーの監督やってたときの世代が持ち上がればやりやすいのだろうが。
そういえば「ジャイアントキリング」最新巻は、今回の選手起用を暗示するような内容でなかなか興味深いものがあったな。それにしても最近のサッカー漫画は面白い。「ジャイキリ」はまだまだ続くし、最近で出色なのは「アオアシ」だな。サッカーをよく知ってるもの。作者たちと協会の連中と入れ替えたらだいぶマシになるだろうに。
それよりいまはツール・ド・フランス。佳境は佳境である。スカイのチーム事情がよくわからず、エースはトーマスなのかフルームなのか、ずっとマイヨジョンヌを着ているのはトーマス、フルームは3位(26日現在)。チームとしてはどっちが優勝でもいいのかもしれないが、そのぶん優勝争いのガチンコ勝負も見られないと思うと、最悪につまらないツールだったということになるんじゃないのかと心配だった。
しかし、水曜の魔の17ステージ、5年ぶりにキンタナがツールの優勝を飾ったステージ。総合争いのグループでの駆け引きに期待したが、勝負所でまたもやフルームが後れをとった。それもあっさりと。トーマスは2位まで上がってさらにタイム差を広げた。今回はトーマスのほうが強いんじゃないかと薄々思っていたのだが、たぶんこれでチームスカイとして守るべきエースはトーマスに決まったような気がする。今回は強い。自転車トーマス!だ。
鍵を握るのは、2位のデュムランだな。18,19ステージとデュムランが優勝を狙って博打に出るかどうか、そうやって混戦になったときフルームにもまだ勝機があるかも。さて、どうなるか? たぶんもうトーマスで決まりだな。
国内サッカー。日曜はイニエスタが日本デビュー。本調子にはまだまだだったが、それでもすごいねえ。ポドルスキが怪我でいないのが残念。
一方、鳥栖に移籍のF・トーレスについては、なかなか真面目な男なんだなと思った。けっこう体を作っていた様子で、動きにキレがあった。たぶん真面目すぎるから、これまで多くの大事な場面でシュートを外してきたのだろう。鳥栖は、鹿島から金崎を電撃移籍させ、トーレスと組ませる目論見なのだろうが、そのフロントの意欲は買いたい。順位はビリから2番目、J2降格だけは何としても阻止したいわけだ。わりと資金はあるみたいね。とにかく、僕はなぜかトーレスに注目したい気持ちになっているのだ。
そういえば、なんて名前だっけ、自家用ジェットでW杯決勝をタレントと見に行った奴。すごい資産があってプロ野球球団を買いたいと言ったそうだが、そこは流れ的にサッカーだろ! と、お笑いならすかさず突っ込まれるところだ。こういうのが何だか格好悪いって感じがする。SNS上の批判が金持ちへのやっかみだけじゃないとすれば、そういうふうに漏れ出てしまう格好悪さにあるんじゃないか? ま、どうでもいいことなんだが。
W杯が終わり、ツールも終わろうとしている。8月末のブエルタまで楽しみがないなあ。まあ、出かける以外は仕事に励もうとは思う。
週末京都に行くのだが、どうも台風が来そうである。散々なことにならなきゃいいのだが。