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菅野所長のエッセイ:信頼すること、されること

突然のゴーン逮捕に驚き。内部告発、司法取引の文字が並ぶと、これはただ事ではないと思ってしまう。その背景を知っていくうちに、これはやはり日産の反乱、クーデター ということになるんだろうと思うね。ゴーンがさらに巨大な権力の座を更新できたのは、当然フランス政府の思惑があるわけだが、たぶんそこでは日産をルノーの完全支配下におくという約束事が確認されたのではないだろうか。マクロンはとぼけているが、ゴーンの最後の仕事はそこにあったと僕は見る。それは日産をフランスに売るということだ。まあだいたいそういうシナリオかな。
外資が参入するということは多かれ少なかれそういうことなのだが、日産の場合はスケールが違う。日本にとっては、大事な臓器を取られちゃうようなものだ。だからとりあえずそれを阻止したということでよかったとしたいのだが、それにしても、こんなふうになるまで抗えなかったのだから、弱肉強食、ビジネスの世界は厳しい。無能な経営のあり方が、ゆくゆくはこんな事態までも引き起こしていく。あの頃リストラされた大量の従業員たちは今どう思っているのだろう。
結局、企業は何のためにあるのかという原点に立ち戻らされるな。日産という企業を通せば、多くの血を流した結果、株主や役員たちが大儲けをしたわけで、そこには従業員ひいては国民的な目線はないと言える。世の中の仕組みがそうなっているからだ。今の政府の政策にしても、全面的に経営者に利するものであって、まさに政財が一丸となって圧政に向かっている感じである。
共通するのは、権力が集中してしまった組織というのは、やがて大きな破局を迎えてしまうということで、いまの日本社会はとても怖いところがある。これと違って、多くの人が決定のプロセスに参加できるのはいいことだな。市民投票で、篠山市が「丹波篠山」市になったのとかね。投票といえば、日本一のゆるキャラ投票で組織票をつくったいくつかの行政体はひじょうにみっともなかった。そもそもこういったところは、自分たちは致命的にセンスが悪いという自覚がないようである。そういうクリエイティブさがないから公務員になっているという自覚を持たないとね。

何だかまた仕事が舞い込んでくる。先日雑誌からの原稿の依頼があったが、テーマがなかなか難しくて、こんなのができるものかと昨夜はなかなか寝つけなかった。でも何とかなりそうなので承諾の返事を送ろう。テーマは「信頼」ということなのだが、何度も原稿の依頼が来るというのは、この編集部からはいちおう信頼されていると考えていいのだろう。

競馬は負け続けだ。しかも完敗といっていい。ここまで読み間違えるかなあ。
日曜はジャパンカップだ。本命はやはり最強の女傑かもしれない①アーモンドアイでいいと思うのだが、人気が落ちたら狙い目と思っていた⑪スワーヴリチャードだが、その後の調教は評価できないので、押さえまで。③サトノダイヤモンドが対抗1番手であるが、それと同等なのが⑨シュヴァルグラン。以下⑧キセキ⑪スワーヴリチャード⑥外国馬サンダリングブルーまでかな。本線は①から③⑨⑧。

が、なんだかみんな「信頼」できないなあ。アーモンドアイに関しては、調教を観るとほかの馬とは走りっぷりが違うなあと思うので、確実に直線足を伸ばしてくると思うのだが、負け続けていると、そういう自分自身が信頼できなくなるわけでね。困ったものだ。
何もいいことないから、馬券くらいは当たってほしい。

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