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菅野所長のエッセイ:山の教訓

 先週の競馬は、土日月連続という変則開催。台風の影響で、京都競馬が火曜にスライドし、なんと4日連続となってしまった。土曜のメインレースを当て、その資金で日曜に増やし、月曜もまた少し儲けたが、よせばいいのに火曜のレースにも手を出して大負け。まったく懲りない人間である。パドックを見ないと当たらないと、わかっちゃいるのだが。

 何だかカジノ法案が審議中だが、ギャンブルの好きの僕だが絶対にやめたほうがいいと思うぞ。依存症を産むとかじゃなくて、国の経済をそれに託すという考え方が最悪だと思うからだ。しばらくは税金を上げられないとなるとこういうことに頼る。あまりにも知恵がない。情けない。

 まあしかし、忙しい中でも、原稿を何とか書き進めているからよしとしよう。もう10月分のノルマは果たした。どうしてできるのかというと、できることからやっているからである。数ヶ月後にはストックがなくなるので呻吟するのは必定。でも、できることをやっているうちに、次の糧になる部分もあり、何とかなるような気もする。これまでそういうスタイルでやってきたし。できることからやっているうちに月日も過ぎる。ストックがなくなる頃には半年は過ぎているだろう。半年の間には、また新たな考えやプランが出ているものだ。つまり、今と同じ景色ではなくなっているわけ。

 こういうのは山登りと一緒ね。本来ああいったストイックなものは好きではないけど、確か高一のときに、山岳部のやつを中心にみなが行くというので僕も行くことになったのが始まり。登ってる最中はきつくて後悔するが、山頂に立つとやはり気持ちがいい。それはよくわかった。その後、何回かは行ったが、積極的に好きなわけでもないので、次に行くようになったのは10年後のことだ。周囲に山が好きな人がいて、これもお付き合いという感じでしばしば行っている。そして行くたびの登りで後悔し、山頂に立つと、「ま、今日のところは許してやっか」という気分になる、これの繰り返し。
 で、いつも考えるのは、こんなに登るのがきついのは何でだ?ということ。結論から言うと、なかなかゴールにたどり着かないからだろう。なかなか結果が出ない、終わらないと思うと、人の意欲はそがれるものだ。「あと何キロ?」「まだ20キロ」、「あそこが頂上?」「あれは手前の峰」なんて会話があり、そのたびに反応性のうつ状態になる。

 で、ある頃から、ゴールのことはあまり考えないようにした。この坂を登るまでとか、あの大木のところまでとか、むしろ長期的な視野をもたない。そのほうが楽である。とにかく山というのは、尾根にたどり着いて初めてやっとここまで来たなという実感を得られるもので、そこまでがきつい。でもその前に、仮に10メートルくらいしか登坂していなくても、見える景色は違うということを深く実感するようになった。ゴールまでのことをもっと考えていたときには、山頂までの道程からすれば10メートルなど微々たるものなので、なかなか気づかなかったのだろう。でも、日常生活の中で言えば、ビルやマンションの3階と10階とでは景色が全然違うものだ。山でも、5分歩けば見える景色は相当違っていて、ああ、自分は確実に登っているんだなと実感することができる。ストイックは嫌いなので、その後山登りなどしたくはないが、その経験は今も自分の中で確実に生きている。 

 これとは逆に、やるべきことがいくつかあって、期限も決まっているときには、やりやすいものから先に始めることはしないこともある。僕の場合、優先の付け方が違っていて、必ずしも重要なことから始めるわけではない。これを後に残しておくと苦しくなるなと思うものを先にする。以前は、そういうものこそ後回しにしていた。それは一般的なことでほとんどの人もそうやってしまうだろうが、僕の場合はある頃から変わったわけである。

 何でかというと、たとえば今月いっぱいまでやらなくていけないことがAとB、2つあるとする。気楽にたやすくできるのはA、Bは苦手な人と交渉しなければならないとか、着手するのにすごく逡巡するものである。こういうときに、Bを残しておくと、その締め切りまでずっと気にしていなくてはならない。「ああ、あれをやらなきゃいけないんだ」と、ずっと頭に引っかかっているわけである。でも、さっさとやってしまえば早く気楽な気分になれる。でも、こんなわかりやすいことがなかなかできないでいた。

 今は、「ああ、そんなことするの嫌だなあ」と思うものほど、思い切ってさっさとやってしまうようにしている。つまり、残しておけばおくほど後が大変だとか、苦しくなると思うものを先にやるという順位のつけかたになった。重要かどうかはまた別問題ね。

「聞くは一時の恥」と似てるかな。早く楽になるにはこれが一番。これも長く仕事をやってきたことからくる教訓というものだな。何十年もかかったけど。誰でも何でもそうだが、頭ではわかっていることでも、実行するのは難しいということだ。

 サッカー、ブラジル戦。向こうの監督はあのドゥンガである。手加減はしないだろうという嫌な予測が当たった。決して100%の力を発揮したわけではないが、守備陣はきっちりやっていた。ほんのちょっとでも判断が遅いと足が伸びてくる。
 日本も専守防衛という感じで、ほぼ全員がデフェンスに回ったが、それでも間隙を突かれる。せめて、現時点でのベストメンバーの戦いを見たかったがね。あのスタメンでブラジルに当てるのはかわいそう。唯一、世界レベルの力を見せたのは岡崎だった。
それから、そろそろ川島は二番手のGKにしたらどうか。もう西川にしたほうがいいでしょ。

 日曜はGⅠ秋華賞か。④ヌーヴォレコルテの1着は堅いだろう。散々考えた末、2着候補筆頭には⑧レッドリヴェールと⑫タガノエトワールの2頭。あとは全部3着候補だ。

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