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菅野所長のエッセイ:志を応援

今週はちょっと忙しかったかな。3月は駆け込みの予約が多くなるので、毎年そうだが。
大学時代の友人が今日退職なんだと聞いてちょっとびっくり。普通のサラリーマンはそうなんだよなあ、やくざな世界にいると実感がわかない。ということで、明日はお祝いの飲み会を急きょやることにした。お祝いなのかどうかよくわからないが、長崎でも「祝辞」だったので、そういうことなんだろう。

森友問題は後から後から何かが出てきて、その場しのぎの政府のやり方のまずさが暴露されていくようだ。そもそも総理夫人を私人だとした強弁がまずかったね。そんなわけないのに。この問題の追求のしかたとしてはあいかわらず「羽鳥慎一モーニングショー」が秀逸だが、最近では専属の感があるかつての”ミスター文部省”寺脇研がもっとも当たり前でちゃんとしたコメントを重ねている。

昔、この人は弊害甚大な「ゆとり教育」の第一級戦犯とされたが、もちろんそんなことはなかった。彼自身、みなさんがそうしてくれと言ったから自分は官僚としてそれに応えただけだと言っていたが、あの頃は周りが聞く耳を持たなかったな。僕は心底同情していたね。彼は自分がそういう目に遭っているから、今回も夫人付きの谷さんはしっかりと擁護する。当たり前だ。彼女は自分の職務(もちろん公務)としていろいろと動いただけである。働き者の立派なノンキャリ官僚である。

寺脇さんもなかなかの人だったが、(故)河合隼雄さんと組んだのが結果よくなかったな。河合さんの立場からして「心の教育」を謳うのはいいのだが、河合さんもやはり現場のことはもうひとつわかってなかったからな。当時のぼくは大学にいて、年を追うごとに学生の基礎学力や基礎知識がひどいものになっていくのを目の当たりしてたからね。そんなところに「ゆとり教育」とかボケボケの施策なんか導入したら、もう日本は世界に互することはできなくなるぞと思っていたもの。で、教育だけの問題とも言いきれないものの、実際その通りになったし。

先週大笑いしたのは、他局のワイドショーで、街ゆく人に質問をぶつけるコーナーだった。日本国憲法にある国民の三大義務とは何でしょう? 1教育 2勤労、さてもうひとつは?という問題。街中でのとんちんかんな答えを聞いた後、それではスタジオの千原ジュニアさんに答えていただきましょうとなって、ジュニアが何と書いたか?
彼は「忖度」と書いたのである。
もちろん役割上ボケたわけだが、これには笑った。彼のポテンシャルはビートたけし級だなと、地味ではあるけど。

 

「忖度」は言葉が一人歩きして、官僚の3大義務のような印象があるが、ま、しかし、森友問題が「忖度」のみで進行したのかと言えば、そんなことはないだろう。8億円まけてくれとか、森友の要望は受け入れてくれとか、必ず指示やお願いをした人物がいるはずである。少なくともお伺いはたてるよね。
そんなときに興味深い数字が出てきた。森友側がこれくらいにしてくれないかと、借料の月額を提示しているが、その額の10年分となると、今回の買い取り額1億何千万とほぼ同じになるのである。つまり森友が払える数字に財務局が合わせたという推測が成り立つ。なぜ値引き額が8億円だったのかの根拠が見いだせるのではないかと僕は思うのだった。廃棄物の処理に8億かかるなんてもちろん大嘘であることは明白になっているし、ハナから森友の成立ありきで事態が進行していたこともあきらかだな。その責任をたどれば、そもそも教育基本法を逸脱した、無法かつハチャメチャなこの学園に積極的に肩入れしてきた連中にあるんじゃないの。

ということで、日曜はあらたなGⅠとなった産経大阪杯。やっぱり⑤キタサンブラック中心でしかたないかな。面白いのは逃げ馬⑪マルターズアポジーか。キタサンから⑪マルターズアポジー⑦サトノクラウン⑫アンビシャス⑬ヤマカツエースへの3連単かな。あとは⑭マカヒキは押さえまで。

 

こういう汚い世の中のありさまを見せられると、⑫アンビシャスにがんばってほしい気持ちになる。キタサンブラックの相手本線はアンビシャスにしようかな。それとも本命にしようか。

そういえば、日本アカデミー賞を席巻した「シン・ゴジラ」がケーブルに下りたので鑑賞。まあなんとも言えないが、監督の「志」は感じたね。これは志の高い大人向けの「ゴジラ」である。実は大人向けのゴジラは、志村喬主演の第一作だけ。あとは子ども向け。1954年封切りだから60年以上前だ。エンドロールに「野村萬斎」とあったが、はてどこにも出てなかったぞと調べると、ゴジラの動きかたについては萬斎がやったらしい。このあたりのこだわりも志の高さを感じたね。でも、見比べて思う、「この世界の片隅で」にはかなわない。

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