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菅野所長のエッセイ:日曜日の勝者

 昔々、人気ドラマ「刑事コロンボ」の放送がなくなったとき、ルーマニアでは「もっとコロンボを観せろ」というデモが起こった。それほどに世界的な人気を博していたわけだが、今の僕にとっては「アメリカン・アイドル」がフィナーレを迎えるときがこういう事態だ。しかし、今年のフィナーレはかつてなく盛りだくさんで、これまでで一番楽しめた。グラミーよりこっちのほうがいい。

 圧巻のひとつは、キャンディスとジエニファー・ハドソンのデュエット。声量こそジェニファーのほうが上だが、歌唱力はキャンディス。ジェニファーは去年のグラミーで、急遽ホイットニーのトリビュートを任せられたほどになっている存在だが、これよりもキャンディスのほうがすでに上である。マライアがメドレーを披露したのも今回の目玉だが、これももちろんキャンディスのほうが素晴らしい。自分の体型が目立たないように、太めのダンサーを厳選して歌い踊ったジェニファー・ロペスなどは論外だし、アデルがカバーしている曲もキャンディスが歌うほうがはるかに素晴らしい楽曲となる。

 つまりはすでに世界一の歌手と言ってよい。全盛期のホイットニーには及ばないけど、もういないしね。ただ、しかし、飛行機嫌いなので会場には来ずに、ニューヨークから映像出演したアレサ・フランクリンがもう一つの圧巻だったのだが、その深い味わいにはちょっと敵わない。「ナチュラルウーマン」から「フリーダム」までのメドレー、しびれましたね。
 ま、キャンディスはまだ23歳。そこそこ年を取らないと到達できない境地だ。ただし、それには節制が大事。あのホイットニーは自己管理がまるでできなかった。惜しくもトップ4止まりのアンバーも、19歳か? まだ声が若すぎるところがある。5年も経てば化ける可能性はありありだ。
 なぜかトップ3で落選したアンジーだが、アダム・ランバートとのデュエットなど、フィナーレでは明らかに特別扱いされた。当然だが。すごい人気歌手になるとすればむしろアンジーだろう。キャンディスは通好みっつうことで。

 ホイットニーとキャンディスの違いは、ポップシンガーとソウルシンガーという違いになるだろう。本質的に。だからホイットニーは白人層にも人気があった。もちろん二人とも何でも歌えるのだが、出自が違う。キャンディスは、古くはマヘリア・ジャクソンそしてアレサという系統の黒きディーバ。だから人気面ではどうなるかわからない。でも、まずはアメリカでかなり売れてくれないと困るなあ。日本に来ないもの。この目が黒いうちにはその歌声を生で聴きたい。

 で、結果も当然のごとくキャンディスの優勝だったが、挑戦すること3回目、アフリカ系、肥満体型のキャンディスが優勝したのは毎回毎回圧倒的なステージを披露してきたからだ。いくつかのハンデを実力で凌駕し、視聴者にも認められたわけだが、番組をずっと観ている者からすると、こういうことはそう簡単でなく、むしろひじょうに珍しいことなのである。最終的に、これぞアメリカン・ドリームが達成された。

 今回アメリカン・ドリームというのは本当にあるのだなと思ったのだが、絵空事でなくこのような夢が実現するためには、どうあっても”実力主義”という前提条件が満たされていなければならない。アメリカのショービジネス、エンターテインメントの世界がすごいのは、実力主義が基盤になっているからなのだなとつくづく思う。ひるがえって、日本を見れば、そういうこととはほぼ無縁だ。日本一のスターがSMAPであったり、AKBだったりするわけでね。何だかなあと思うわけです。一年中「アメアイ」をやってくれよと。かつてのルーマニア国民のような気分にもなると。

 ま、しかし、「アメアイ」はキャンディスが勝ち、ダービーはキズナが勝ちで、いい日曜だった。わずかな3連複しか取れなかったのが残念。ここでも推してたペプチドアマゾンがハナ差の4着。これが3着だったら大儲けだったが。と思ってたら、地下鉄の時刻表を探していたら、財布の中からダービーの当たり馬券が出てきた。そうだ、土曜に場外でも買っていたのだった。3連単取ってましたねえ。気がつかなかったが、この僕も日曜の勝者だったのである。よかったよかった。

 今週は安田記念。僕が初めて競馬場に行ったらやっていたレース。あのときはハクセツ、ハードウェイという小柄な牝馬が1,2着だったなあ。いい天気だった。
 実力馬が多数いるが、今や世界のスプリンターであるロードカナロアが参戦してきたことでより迷わされている。グランプリボスとロードカナロアの3連単マルチがいいのか?性懲りもなくシルポートの逃げ残りに賭けるか? 馬場が悪化すればあるけど。今回の基本作戦は、⑦グランプリボスから、①カレンブラックヒルと⑩ロードカナロアへの3連単マルチだな。有力馬多すぎてまず当たらん。

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