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菅野所長のエッセイ:楽しい食事には罠がある

先週はコラムのことをすっかり忘れていました。すみません。翌日大阪に行くことで頭がいっぱいになってしまったもので。

今年になって初めて遠出したのだが、大阪もまた人が少ない感じである。中国からの団体旅行がないせいだろう。
今回気づかされたことはウィルスの感染経路についてだ。
一泊目のホテルでは、朝食のときに券を渡すと、すでに決まっているセットを運んでくれたので気づかなかったが、2泊目のほうは普通のビュッフェスタイル。食堂は空いていて、のんびりとおかず等を取り、一人で食べていると、後ろ側に中国人の4人家族がいた。団体旅行でないと静かなものである。でも思い返すと、この家族は僕よりも数分前にビュッフェで食べ物を取り分けていた。このときは静かだから気にしなかったが、通常中国人や韓国人の団体がいる朝の食堂は、バーゲンセール会場のようなけたたましさである。あれもこれも皿にこれでもかと食べ物を盛っていくのだが、それも大声でわめきながらなのである。だから、僕はそういうホテルでは昼食を取らないことも多かった。いまもしもそういう光景があったならば、そこにいるかもしれない感染者の大量のつばが食べ物に降り注ぐことを思うだろう。
いやあ、これはやばいなあ。食べるときにはマスクなんかしないし、確実に自分の体内に入る。どんなに手を消毒しても無意味だ。
一般的な感染のイメージとは、近距離からの飛沫が、口や眼に入ることだが、そんなのよりも実は食事による感染が一番多いのではないかと思った。ビュッフェとか、焼き肉、鍋とか、向かい合い、同じものを取り分ける形式の食事だ。つまり楽しい食事ほど危険。一人淋しい食事は安全。まあ、感染者がいればの話だが。しかし、子どもがインフルエンザに罹り、それが家族に及ぶというのはおそらく食事の問題ではないかと思われる。
一説によれば、武漢で爆発的に感染が拡大したことの要因として、すでに何人かの感染者が確認されていた頃、武漢ではこの季節の恒例行事である市をあげての大宴会が行われたことが挙げられる。VTRで観ると、テーブルにはそれは豪華な食事が並び、参加者は4万人。日本で言えば超豪勢な芋煮会みたいなものだな。ここで感染が一気に拡大したという説なのだが、僕はこの説が本命だとにらんでいる。つまりは、行政や当局がこのウィルスをなめてたわけで、少なからず人災という側面もあるのかもしれない。
慎重を期すならば、旅行先でもどこでもビュッフェには手を出さないのが賢明だろう。
日本での高い感染率を見て、中国国民も当局が発表する数字が怪しいと思っているようだ。やはり本当のところはあんなもんじゃないだろう。それと同時に、WHOの言うことも当てにならない。事務局長と中国とのつながりは深く、ネット上では罷免の署名が50万を超えているという。中国本国でも、弁護士や著名人50人が署名して当局を非難。最近では珍しいことだ。事態は中国の体制を揺るがすものとなりかねず、だから周近平は本当の数字を出さない。どこの権力者も同じだ。
それぞれの政府の思惑とは違い、ちょっと前には、日本に来ている中国人がマスクの爆買いをするなか、あるドラッグストアがマスク売り場に「中国加油!」の張り紙を並べた。これを見た中国人の多くがネットで日本人に感謝の意を示していた。いいことだな。
先日自民党が中国に義捐金を贈ろうとしたことはいいのだが、その額、議員一人5000円。まったくせこいというか何というか、そして、ある中国嫌いの右派党員たちはこれを拒否というのだからねえ。韓国の場合もそうだが、他国との友好はいつも政治に邪魔される。
今の政治家の能力、定見については、深刻な問題だ。首相からしてまんまと辻本清美の挑発に乗り、またもやヤジを飛ばし、来週には謝罪することになるんだと。国会で首相がヤジを飛ばすなんてのは前代未聞のことだったが、これで何度目だ。
むかし、その後都知事となった青島幸男が国会の初答弁で「佐藤首相は財界の男めかけ」と発言したとき、当の佐藤栄作はゲラゲラと笑っていた。ずいぶん図太いもんだなと僕は思ったものだ。たぶん内心は穏やかではなかったはずだが、小物の言うことにムキになるなど沽券にかかわると思っていたのだろうと思う。あれはあれで政治家の胆力を示すものだし、普通の革靴で田んぼの中に入っていって農夫と握手する田中角栄にしても、それが彼流のパフォーマンスと知りながら、その姿勢には政治家としての豪気があったのだ。
現在、そんなことを感じさせる人は一人もいない。

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