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菅野所長のエッセイ:甘くない話

 今週末は出かけてしまうので早めのアップ。もうこれで遠出はない。あとは来週から3週連続で出かけるが、いずれも都内か近場である。一年同じ場所で仕事をしていると、そういった出張が節目になるところもあるな。昔は、仕事場がいくつもあったので、日々に変化があったものだが。

 今週は懐かしい人たちと久々に会ったが、ほとんど引退した人の中には、伊豆のほうに住んで毎日野良仕事をしているA氏もいた。自分でつくったというみかんをもらったのだが、昔風のすっぱみがあり、ひじょうに美味しかった。ある頃から何でも甘いものばかりなのがとても嫌なのである。何でも8種類の柑橘類を植えているらしい。実家がミカン農園だというのでなるほどである。

 そこで昔風の甘くないトウモロコシを栽培してくれないかとお願いをしたが、もはや種がないのではないかと言われた。やや年齢の低い層の人たちは「食べたことがない」と言う。まあ、最低でも60過ぎだろうな。あれを食べてた人は。

 1930年代からであるらしいが、いわゆるスィートコーンが市場に出始め、僕が中学生になる頃にはほとんどが甘いトウモロコシになってしまっていた。甘くない方が美味しいのに。焼いて醤油をかける、香りも味の濃さも比べものにならない、と僕は思うのだが。以前北海道に行ったときに、行く先々で甘くないのがあるのかどうか訊いたが、すべて首を振られた。

 調べてみると、フリント種という、粒が8列にそろったものがあるらしいが、どうも北海道のあるところに行かないとつくられていないらしい。トウモロコシはすぐに鮮度が落ちてしまうので取り寄せもできない。その農家でも、乾燥させて挽いてしまい、トルティーヤ用にするのだそうだ。やっぱりA氏に作ってもらうしかない。機会があったらまたごり押ししてみよう。

 もっともほとんどの人はトウモロコシの本当のおいしさを知らないで人生を過ごしているだろう。トウモロコシは収穫後すぐか、せいぜい1日2日で食べないと、がくっと味が落ちる。僕にしてもスイートコーンは好きじゃないが、北海道で朝取れのものならむしゃぶり尽くすほど美味しいと思うのである。

 さて、ロシアの旅客機に続き、パリでも大変なことが起きたわけだが、結局シリア空爆を熱心にやっている国はこういう報復にあう。シリアは昔フランスの植民地でもあったから、感情的にはアメリカと同等に狙われやすい。オランド首相は「これは戦争だ」と言ったが、もはやテロと戦争の区別はほとんどない感じである。

 日本では、首相からして「テロは許さない」とか言っているが、もはやピントが外れている。ま、選挙や支持率を見据えれば、ISに対する有志国の「戦争を支援する」とは、言いたくても言えないということだろうが。しかし、向こうの考えは違うだろう。バングラデシュの日本人殺害もISのやったことだが、これまでは個人的な殺害にとどまっていた。でも、今後は日本国内も十分に危ない。ISは甘くないので。

 カナダ国民は選挙で「空爆反対」を選んだ。フランスでの惨事の前とはいえ、賢明だよね。結局、軍需産業と一部の政治家がやりたがるわけでね。ちょっと前のロシアのシリア空爆だって、何だか唐突な感じがしたが、兵器の在庫処分だったのではないかと思わないでもない。テロと戦争の区別も、そもそも東京の大空襲とか、原爆投下とか、あの頃から戦争も無差別攻撃をするようになっていたわけで、シリア、アフガンへの攻撃も一般市民がたくさん死んでいるし。ISと有志国との違いがどこにあるのかよくわからない。そういった国とは一線を画そうというのが、多くの日本人の考えていることだと思うのだが、まあ、どう転んでいくのか。

 日本のサッカーもあいかわらずで、手の施しようがない感じである。とくに吉田、槙野のCBは、カンボジアのFWにさえ1対1で勝てず、ファールで止めるしかできない。唯一の収穫は確かにここ2戦のMF柏木なのだが、これもノーマーク、ノープレッシャーでボールを扱えるからであって、もっと強い国と当たったときにはどうなるのかわからない。世界は甘くないので。

 先週のエリザベス女王杯から暮れの有馬記念まで、7週連続でGⅠがあるということだった。で、初戦は敗退。多少惜しかったが、自分としては完敗だった。今度のマイルチヤンピオンシップも難解で、当たる気がしない。本命は本来ならモーリスなのだが、5ヶ月の休養明けが不安だ。そこで思い切ってイスラボニータを本命とする。相手は5頭。モーリス、ダノンシャーク、フィェロ、サトノアラジン、ロゴタイプだ。まあしかし、やっぱり競馬も甘くないし。

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