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菅野所長のエッセイ:組み合わせの妙というやつ

 モーツアルトとサリエリの共作という楽譜が見つかったのだそうだ。その組み合わせ、いったいどういうものなのか聴いてみたいものである。
 ところで、映画「アマデウス」とかでの印象では、モーツアルトは若僧、サリエリはずるがしこい中年というイメージだったのだが、実際の年は6歳しか違わないことを知ってちょっとびっくりである。6歳差ならなおのことモーツアルトへの嫉妬はすごかったのかもしれない。

 映画の中で、サリエリが王に献上したピアノ曲を、モーツアルトがたちまちのうちに編曲してしまいサリエリが恥をかかされた場面があったが、この共作もたぶんサリエリ原曲でモーツアルトが編曲したのではないかと推測するが。

 先日はグラミー賞授賞式があった。予想通りのテーラー・スイフトだが、年々つまらない感じがするグラミー、今回もそれを食い止めることができない。アデルをちょっと観たら、ひどい感じだったのでどうしたのかと思ったら、何でも機材トラブルだったそうだ。気の毒に。

 これに比べたら「アメリカンアイドル」シーズン15(最終)はひじょうにいい。いろいろな予選も終わってトップレベル24が決まったところだが、ここ何年かよりもレベルが高い。こうなると番組が終わるのがもったいない気もしてくるが、まあ、余力を残したくらいでやめるのがいいのだろう。来年から楽しみがひとつなくなるけどね。

 グラミーが終わると、つぎはアカデミー賞か。こちらもどうなのか。白人ばかりの投票でその偏重ぶりを糾弾されてもいるし、やはり低調な感じは否めない。そういえば「アマデウス」はよかったけどね。ずいぶん昔だが。

 映画と言えば、ちょっと前に、いちおう観ておこうと「スターウォーズ」を4DXで鑑賞。4DXとは、3Dプラス、椅子がドカドカ動いたり、水が出たり、風が吹いたりする特殊効果席だ。ディズニーとかUSJにもある映像探検ものアトラクションと同じようなやつ。初めてだったが、まあ、とくにどうということもない。これからは単純な3Dだけのほうがいいと思った。値段も倍額だしね。その価値はない。ま話のネタにということで。

 そもそも「スターウォーズ」自体がつまらない。これまで一度も感心したことはないなあ。4DXもそうだけど、結局お子ちゃま向けの宇宙活劇だよね。今回は、ハリソン・フォードが1作目以来?の登場だったのが目玉かな。でも、銃を持つ動き、アクションが老人のそれだなと感じたときには興ざめした。

 その映画館で次期上映のチラシを観ていたら、アニメ劇場版「ガールズ&パンツアー」があった。これは女子高校生が戦車に乗ってワヤワヤやる話である。僕はTVアニメで観たのだが、内容はともかく、女子高校生と戦車という組み合わせにやられた。いわゆるオリジナリティというのは幻想だと僕は思っているのだが、既成のものであっても、それを組み合わせるとオリジナルなものになることがある。これはその典型だな。

 舞台は茨城の大洗、そこの高校の部活には、茶道や華道と並んで「戦車道」なるものがあって、戦車に乗って模擬戦争を行うのである。使う戦車は第二次大戦以前のものに限られる。作者は相当な戦車オタクと思われ、とにかく戦車を書きたかったのだろうが、それだけでは人目を引かない。そこで女子高生を組み合わせると。
 これは何だな、アンドレ・ブルトンが言ったように、解剖台の上でミシンとこうもり傘が出会うという、シュールリアリズムのより現実に近い出会いのようなものだな。
 よくは知らないが、劇場版になるくらいだからそれなりに人気があるんだろう。このアニメは発想においてすごいと、僕は高評価。

 昔、学生時代に「枕草子」を読み込んだときも、そこに見たのはさまざまなことを組み合わせる清少納言の意匠だった。いわゆる組み合わせの妙、「枕草子」はそれが秀逸なのだなと勝手に結論づけたのだが、でも女子高生と戦車には負けるかもね。

 おっと、日曜は今年最初のGⅠフェブラリーステークスだった。ここのところ競馬は絶不調である。本命は⑦ノンコノユメ、名前と違って牡馬というのが妙か。対抗は⑤ベストウォーリア。この2頭の3連単マルチで、手広くは行かない。

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