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菅野所長のエッセイ:背伸びは禁物なのだ

残暑というにはあんまりな暑さ。いったいいつまで続くのか。
 今週は前々から2日間休みを取ってあったのだが、何の予定もなく、どう過ごしていいのかわからず、しかたないから後楽園の場外まで行って地方競馬をやる。これが当たらんし、暑いしで、途中で帰ることになるのだが、頭痛が収まらずで、とても嫌な一日だった。次の日は懲りて、どこにも行かずにいたら、珍しいことに何回もうとうとしてしまった。やはり夏の疲れというのか、やっぱり休んでよかったのだな。

 今日は、5時で面接を終えて、関西へ向かう。わざわざゴルフをやりに行くのだが、明日も暑いんだろうな。本来は昨日からの学会があるのだが、9月以降何かと土曜日に用事があるので、今日あたりは休むわけにもいかないのである。

 休みになって、珍しく甲子園を観たが、あまり面白くなかった。有望な中学生をかき集めた学校しか勝ち上がれないもんね、もはや。光星学院なんて地元青森の選手なんかいるのかって感じで、応援するほうもしらけている印象。そういえば、次回オリンピックでは卓球がなくなるのではないかと噂だが、結局、どの国の対戦になっても出てくる選手は帰化した中国人で、これでは意味がないというわけだ。やめるの賛成。日本選手には気の毒のようだが、今回はいなかっただけで、日本も同じようなことやってたし。

 高校野球にしても卓球にしても、こういうやり方は結局自滅の道をたどるのではないか。もっと勝ち負けなんか気にせず楽しく行こうぜ。自分たちの力でやって負けたっていいじゃんと、私は思うのだが。

 ずっと前、人から薦められて読んだ山岸涼子の「テレプシコーラ」というマンガがあるのだが、これがなかなか面白かった。もともと僕は山岸涼子が好きじゃなかったが、この作品はたいへんに面白い。で、何で嫌いだったのかもよく分かった。この人はずっと背伸びしてたんだね。世代的に周りにはあの「24年組」と呼ばれる天才たちがいる。大島弓子、萩尾望都、竹宮恵子。そんな中で山岸は、彼女たちに対抗しようと、小難しく、しかし破綻している理屈でマンガをつくっていた。それが「テレプシコーラ」にはそぎ落とされ、ただ大好きなバレーへのあこがれと尊敬を前面に、一人の少女の成長を描く。主人公と同じように、山岸も背伸びをしない。上品な「ガラスの仮面」と言うか、後半は「タッチ」の主題をも織り交ぜて、読む者をぐいぐいと引っ張る。前半、例によって悪い癖が出ているのだが、途中で気づいたのか、そこを強引に封印して、ただの少女マンガであることを受け容れるのである。
 こんな年になってやっと自分というものをわかったんだろうな。もっとも、大島や萩尾とかの天才に触れれば、意識するなというほうが無理だったのかもしれない。でも結局、自分の好きなことを好きなようにやるのが一番なのだ。

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